報告書番号 | MA2011-6 |
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発生年月日 | 2008年09月01日 |
事故等種類 | 死傷等 |
事故等名 | 貨物船RICKMERS JAKARTAはしけ18新栄丸作業員死傷 |
発生場所 | 京浜港横浜第1区山下ふ頭3号岸壁 神奈川県横浜市横浜ベイブリッジ橋梁灯(P1灯)から真方位 266°1,400m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡:負傷 |
船舶種類 | 貨物船:非自航船 |
総トン数 | 10000~30000t未満:その他 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2011年06月24日 |
概要 | 貨物船RICKMERS JAKARTA(リックマース ジャカルタ)は、京浜港横浜第1区山下ふ頭3号岸壁に右舷着けで係留し、同船の左舷側に接舷しているはしけ18新栄(しんえい)丸の船倉から3号デッキクレーンを使用して貨物を巻き上げ中、平成20年9月1日10時05分ごろ、デッキクレーンの巻上用ワイヤロープが破断して貨物が18新栄丸の船倉内に落下した。 18新栄丸上で作業を行っていた作業員のうち、5人が落水して1人が死亡し、救助された4人のうち3人が打撲傷を負った。 また、18新栄丸は、落下した貨物により、船倉船底に破口が生じて沈没した。 |
原因 | 本事故は、京浜港横浜第1区の山下ふ頭3号岸壁において、A船が、装備された3号クレーンを使用してB船に積載していた本件貨物を巻き上げ中、主シーブCのリムが割損したため、主ワイヤが割損したリムの隙間に落ち込んで破断して本件貨物並びに主フックブロック及びグロメットがB船に落下し、荷役作業員C1に主フックブ ロック又はグロメットが当たったこと、及び荷役作業員3人が本件貨物のB船船倉への落下による衝撃を受け、又は落水したことにより発生した可能性があると考えられる。 主シーブCのリムが割損したのは、リム材料であるアングル鋼の製造時に生じた微小亀裂がワイヤガイド面の裏側となる部分に存在していたこと、リムの製造過程で、リム表面の硬さが増加して靭性が低下するとともに、リムの残留応力が除去されな かったこと、及び制限荷重に近い重量の本件貨物を吊り上げたことから、3号クレーン稼働中に主シーブCのリムのぜい性破壊条件に合致したことによるものと考えられる。 主ワイヤが破断したのは、ジブ先端の主シーブCのリムが割損し、主ワイヤがその隙間に落ち込んで止まった際、主ワイヤに破断荷重を超える衝撃的な過大荷重が加 わったことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:1人(荷役作業員)、負傷:3人(荷役作業員) |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。