報告書番号 | MA2011-3 |
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発生年月日 | 2009年10月24日 |
事故等種類 | 転覆 |
事故等名 | 漁船第一幸福丸転覆 |
発生場所 | 伊豆諸島神津島南南西方沖 東京都神津島村神津島灯台から真方位195°39海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡:行方不明 |
船舶種類 | 漁船 |
総トン数 | 5~20t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2011年03月25日 |
概要 | 漁船第一幸福丸は、船長ほか7人が乗り組み、神津島南南西方沖を静岡県下田市下田港に向けて北進中、平成21年10月24日20時00分ごろ、高波を受けて転覆した。 10月28日漂流していた同船の膨張式救命いかだが発見され、乗っていた船長が救助されたが、死亡が確認された。また、第一幸福丸は、同日転覆した状態で発見され、船内で生存していた乗組員3人が救助されたが、残る乗組員4人が行方不明となった。 |
原因 | 本事故は、夜間、関東海域に海上強風警報が発表され、気象及び海象が悪化する状況下、本船が、神津島南南西方沖を下田港に向けて北進中、右舷真横付近に風と高波を受けたため、ブルワーク没水角を超える左舷側への傾斜が生じて大量の海水が甲板上に流入し、滞留した海水と海中に没した左舷ブルワークが抵抗となったことで復原しにくくなったところに、更に波浪を受けて転覆したことにより発生した可能性があると考えられる。 本船が右舷真横付近に風と高波を受けたのは、本船が、東北東に流れる約2.5~3knの黒潮本流を横切り、また、風速約16~17m/sの風を受ける状況で北進するため、針路約348°で航行していたことによる可能性があると考えられる。 本船がブルワーク没水角を超える左舷側への傾斜が生じたのは、本船が、右舷真横付近に風と高波を受け、高波により横傾斜が最大になるとともに、風及び荷崩れによる横傾斜が加わったことによる可能性があると考えられる。 大量の海水が甲板上に流入し、滞留した海水と海中に没した左舷ブルワークが抵抗となったことで復原しにくくなったのは、本船が、本事故発生時、約1.17mの船尾トリムとなっており、船尾トリムを小さくした状態と比べて復原性の低下とともに、ブルワーク没水角が小さくなっていたことが関与したことによる可能性があると考えられる。 本船が、約1.17mの船尾トリムとなっていたのは、漁具の錘等が船尾に偏って積載されていたこと、船尾端付近のタンクの燃料が消費されずに残っていたこと、及び操業の途中で帰航したことで、船首甲板下にある魚倉への漁獲物の積載量が、操業を終了して帰航する場合と比べて少なかったことによる可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:1人(船長)、行方不明:4人(乗組員) |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。