JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2011-4
発生年月日 2008年06月23日
事故等種類 沈没
事故等名 漁船第五十八寿和丸沈没
発生場所 千葉県銚子市犬吠埼東方沖350km付近
管轄部署 事務局
人の死傷 死亡:行方不明
船舶種類 漁船
総トン数 100~200t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2011年04月22日
概要  漁船第五十八寿和(すわ)丸は、船長、漁ろう長ほか18人が乗り組み、千葉県犬吠埼東方沖の漁場において漂泊中、船体が右傾斜して転覆し、平成20年6月23日13時50分ごろ、犬吠埼灯台の東方沖350km付近の海域において沈没した。
 乗組員20人のうち、4人が死亡し、13人が行方不明となった。
原因  本事故は、本船が、犬吠埼東方沖350km付近において、南西~南の風が吹き、南西~南の波がある状況のもとでパラ泊中、標準状態より重心が上昇するとともに右舷側への初期横傾斜が生じた状態であったため、本件大波を右舷前方の舷側に受けて右舷中央付近から海水が打ち込み、船首甲板に滞留して船首が沈下するとともに右傾斜が増大し、右舷船首の乾舷が減少した状態となり、右舷舷側から波が連続して打ち込んで更に傾斜が増大し、右舷端が没水して復原することなく転覆したことにより発生した可能性があると考えられる。
 本船が、標準状態より重心が上昇するとともに右舷側への初期横傾斜が生じた状態であったのは、漁網が補修や海水等を含むことにより重量が増加していたこと、漁具、ロープ類等を操舵室天蓋等に積載していたこと、及び漁網が、右舷側から、重量の大きなチェーン、網、浮子の順に積み付けられ、重量が左右不均等になっていたことから、船体の動揺により、重量の大きなチェーン側に横移動したことによる可能性があると考えられる。
 海水が船首甲板に滞留したのは、放水口の機能を阻害するような放水口周りの構造が関与したことによる可能性があると考えられる。
死傷者数 死亡:4人(乗組員)、行方不明:13人(乗組員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

転覆模型実験(1分46秒)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。